やはりこの世がエンドレイヤーであることに気付いてしまった
「ブレイブリーセカンド」というゲームをご存知だろうか。
かのスクエアエニックスが2012年にリリースした新作RPG「ブレイブリーデフォルト」の続編である。
この「ブレイブリー」シリーズは第一作目の「ブレイブリーデフォルト」からメタ的な要素がふんだんに盛り込まれていて、3DSというハードの特性を活用した仕掛けが非常に楽しめるゲームである。
新作RPGと言いながらも随所にFF的な要素が盛り込まれ、それながらも「FFではない」が宣言される。その言葉すら制作陣によるメタ的な仕掛けの一つとなっている凝りよう。
とにかくメタ要素が多くて楽しめる作品である。
その要素の一つがタイトルにもなっている「ブレイブリーセカンド」というシステム。表向きは戦闘を有利に進めるためのシステムだが、ゲームのある時点においてはストーリーを先に進めるために必須の要素になっている。
ざっくり説明する。
「ブレイブリーセカンド」のストーリーを進めていくと、ある時点でプレイヤーキャラクター達は目的達成が完全に不可能になり、世界の時が完全に止まってゲームとして先に進めない状態に陥る。この状態がゲームでは「エンドレイヤー」と言われ、ゲームのサブタイトルにもなっている。
そんな「エンドレイヤー」の世界で途方に暮れるわけだが、ゲーム内のNPCは「ブレイブリーセカンド、それはやり直す勇気」などと言い始め、ゲームのタイトル画面にはそれまでにはなかった「New Game+」という項目が現れる始末。
この「New Game+」を選択すると、普通に最初からゲームを初めたのと同じようにゲームが始まり、「え、もっかい最初からやらなきゃいけないのか?」と一瞬辟易した状態になるのであるが、そこで特殊システムの「ブレイブリーセカンド」が関わってくるという仕掛け。そしてめでたく「エンドレイヤー」を抜け出せるというわけだ。
以上、「エンドレイヤー」「New Game+」「ブレイブリーセカンド」という用語の説明であった。
何故このような説明が必要であったかと言うと、2020年3月31日にこの世がエンドレイヤーになったままだということに改めて気付いてしまったというおハナシである。
お知らせ
— SevenSeas (@7s_akiba) March 31, 2020
諸般の事情により令和2年3月末日をもちまして
SevenSeasを閉店することとなりました。
突然ですが万策尽き、誠に勝手で申し訳ございません。
何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。
皆様のご愛願を心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
令和2年3月31日 大原
当初模型ブログにしようとしていたこのブログはいつの間にか推し活日記となり、推し活ができなくなってからはすっかり放置されているわけであるが、そんな推し活ができなくなった世界を自分はしばしば「エンドレイヤー」と言い表してきた。
「New Game+」だとか「ブレイブリーセカンド」だとか言ってみても現実の世界にはそんな都合のいいものは存在しない。
止まった世界がただ無慈悲に刻々と続いていく。
そしていつしかそんな状態にも慣れ、最近は人生を少しでも先に進めるための大きな決断をしてみたりと「エンドレイヤー」であることを忘れてそれなりに生きていく気になっていた。
が、さる9/10にOGによるイベントカフェが開催され、そこに推しが降臨するということで是非もなく参戦希望を表明したわけである。
応募者16名以上で抽選ということで当店のコアな人気を考えれば抽選となることは間違いない。期待と不安が入り交じる状況で当落メールを待っていたところに当選メールが届き、当落メールを待っている間以上の期待と不安と緊張のなかで当日を迎える事となった。
推し活として何かするか否かについては多分に悩んだ部分ではあるが、実に2年半越しの機会でもあるし、このような会が末永く続いて欲しいということで祝いの花を出すことに決める。
気持ちとしては盛大にスタンド花を贈りたいくらいの気持ちはあるのだが(実際、GV10周年に際してはそうした)、1日限りのイベント営業ではそれも迷惑だろうと思い、持ち帰り可能なサイズのアレンジメントならば許されるかと久しぶりにヲタク花屋に「小さめのサイズ」としてオーダー。
自分の久々の推し活ということで花屋が張り切り過ぎた結果、持ち帰るのも少々面倒な大きさになってしまってはいたが。。。
そして当日、本当に楽しい時間を過ごすことができた。
推しに会えたのはもちろんのことだが、同じ場所を今でも愛する同志達と昔を懐かしむ時間は同窓会としても楽しめるものだった。
エンドレイヤーの中で見つけてきた僅かな楽しみが吹き飛ぶほどに。
そう、
同窓会なのだ。。。
楽しかったあの日々はもう戻りはしない。
我々に唯一できることと言えば、いつ開催されるかもわからない、これが最後かもしれない機会をただ待つことだけ。
この世界はやはりエンドレイヤーだった。そしてこの世界には「New Game+」も「ブレイブリーセカンド」も存在しない。
この世界がやはりエンドレイヤーであり、エンドレイヤーの中で見つけてきた僅かな幸せが本当に僅かでしかないことに改めて気付いてしまうという激痛を味わう結果となってしまったのだった。
しかし我々は生きなければならない。
我々が推しを必要とする、生きていて欲しいと願うように、我々もまた誰かに必要とされている、生きていて欲しいと願われている。そう信じて。
そんな想いの中で、昨今下した大きな決断を改めて考える。
完全に顕現するのは2022年末~2023年初頭になりそうであるが、人生を大きく変えることにした。
どうせ推しに会えないのなら、、、という多分に諦めの気持ちも含んだ決断ではあるが、この決断が「New Game+」からの「ブレイブリーセカンド」になるかもしれないという淡い期待が無いわけでもない。
こうやって人は少しずつ前に進んで行くのだろう。
明日は何かが変わる、停滞した世界「エンドレイヤー」から抜け出せると信じて、
うつせみに結ぶ。