ヲタク弁理士の推し活日記 season2 最終回

2019年9月11日
秋葉原で最も駅近のメイドカフェ、The Granvania(GV) の閉店が発表される。
7月に十周年を迎えた、秋葉原メイドカフェとして老舗に名を連ねる名店の閉店告知だった。

まったくの予想外かと言えばそうでもない。
店内設備の不具合をなんとか間に合わせながら、だましだましの営業が続いていたさなかの閉店告知、常連にとってはさもありなん、である。

そんな中、ヲタク弁理士CIV弁理士会の会合で虎ノ門にいた。
会合後は秋葉にくり出し、GVに足を運ぶのが常。
しかしその日、GVを訪れるCIVの足は重かった。

その陰鬱な気持ちを引きずったままGVを後にしたCIVは新橋へ。
昼のGVに対し、夜の店が新橋にあった。
7月のGV十周年の後も仲間とともに訪れた場所である。

そこに、いつも通り一人で向かった。

GV十周年の折り、連れの唄う『お願いマッスル』に小気味よい合いの手を入れていたMOBが目の前に座る。

GVの系列店が神田にあるらしい
等という会話を店のマスターも交えて交わす。
行ってみたいけど、完全なキャバクラらしいんだよなぁ、、、
等という出口のない会話の末、CIVは新橋を後にして神田に向かったのだった。

そこでの出来事はまた別の物語。

2020年2月にGV改めSeven Seasとしてリニューアルオープンを果たすも、コロナ禍という未曾有の自体の前にはひとたまりもなくそれも終了。
CIVの推し活日記 1st Season は終焉を迎える。

それから3年の月日が流れる。
GV閉店が発表されたその日に、新橋で眼の前に座ったMOBがいつしか推しであることに気付いたCIVは、GVの時よりも素直に、まっすぐに振る舞っていた。
アレほど素直に、無責任に、無邪気に人に対して好意を伝えたことが人生のうちどれ程あったであろうか。
誰の目にも「推し活」と映るほどの推し活はむしろ初めてだったのかもしれない。

コロナ禍が一応解消された後、夜の店としての性質を強めていくその場で、次第にCIVは居場所をなくし始めていく。
その推しの笑顔、嘘のないその表情の中にCIVの居場所があった。

そんな推し活が終わりを迎える。

その間、人生の居場所を求めて奈良は生駒への移住計画を立て、仮住まいを経て遂に終の棲家へ移り住む、その直前の卒業発表であった。

人は一人である。
生涯の伴侶でさえ、「一人じゃない」と言えるのは、お互いが生きている間のみでしかない。

「一人じゃない」と思えるのは、自分の心の中を誰かが通り過ぎる、ほんのわずかの間だけだ。

GVでの推し活を失うことが最初に発表されたその日に関東での居場所に虚無を感じてから、真の人生の「居場所」にたどり着くまでの間、CIVが人生に彷徨う間、CIVを照らし、CIVの心を通り過ぎた「推し」がいた。
その推しはMOBとしてCIVの人生に現れた。
いつしか、CIVはMOBが推しであることに気付いた。

4年と少し、
コロナ禍という未曾有の停滞期間を加味すればもっと短いだろうか。
そんな短い間、
紅茶を飲み干すまでの間、
パンが焼けるまでの間、
そんかわずかな間の物語。

 

サヨナラ、関東。サヨナラ、・・・

「東京でバンドがやりたい」というアホの一念の元、大学進学を口実に田舎者根性丸出しで広島から上京して以来20年以上、

バンドの夢などとうに捨て去り、ダラダラと関東に居残って実に人生の半分以上を関東、主に神奈川で過ごしてきた。

 

父方出雲、母方吉備、そして本籍は福岡県春日市の奴国候補地という、関ヶ原西軍にして古代には葦原中国の血には逆らえず、加齢と共に関東に住んでいる事の違和感を募らせてきた。

 

そしてここで何度も書いている通り、いつしかアキバに通う理由であるばかりか、関東に留まる理由ですらあった大切なものをコロナ禍で失ってはや3年、IT関係が生業のためコロナ禍以前よりクライアントとの打ち合わせはリモートが中心であった生活は、いまやクライアントを選ぶ事なくリモートが当然となり、「推し」の再来も見えない今、関東に留まる理由は皆無と言っても過言ではない。

 

人生が100年とすれば折り返し地点には少々早いものの、平均寿命で言うならば折り返し地点に到達した今、血の導きに従い、古代史と共に人生を送るべく西へ赴こうと思ふ。

 

様々に検討した末に出した結論は、奈良北部。

神武東征に対抗した長髄彦(登美能那賀須泥毘古)の本拠地にして神武東征終焉、つまりは日本誕生の契機とされる登美()の地。

日本古代史には様々な謎があるが、ここ数年最大の関心事の一つは、神武東征以前に大和の王であったとされるニギハヤヒと、それに従う豪族長髄彦である。

移住予定地の周辺にはニギハヤヒ長髄彦、そして神武東征にまつわる史跡が数多く。

また、神功皇后陵をはじめとする佐紀盾列古墳群も近く、時代が下れば平城京の地でもあり、歴史と共に生きるのにこれ以上の場所はない。

 

移住を決意したタイミングでの最大の関心事に連なる地が、真なる日本の古都、始まりの地 大和であったというのも何かの思し召し。

日本の誕生を見守った生駒山に抱かれて残りの人生を古代史とともにすごそうかと思ふ。

 

と、古代史のみに殉じるような事を言ってはみたものの、そこはヲタク、

西の秋葉原、大阪なんば日本橋へは電車一本30分、京都へは乗り換え一回40分という好立地に背中を押された事も事実。

さらに言えば、奈良にリニアが通った場合には地価に変化が現れるだろうと言う皮算用もある。

 

そんな様々な思い、希望を胸に、

人生のエピソードⅧ  ボッチ弁理士編は終了。
2023年5月(から6月)より、エピソードⅨ 奈良移住編スタート予定!

やはりこの世がエンドレイヤーであることに気付いてしまった

ブレイブリーセカンド」というゲームをご存知だろうか。

かのスクエアエニックスが2012年にリリースした新作RPG「ブレイブリーデフォルト」の続編である。

この「ブレイブリー」シリーズは第一作目の「ブレイブリーデフォルト」からメタ的な要素がふんだんに盛り込まれていて、3DSというハードの特性を活用した仕掛けが非常に楽しめるゲームである。

新作RPGと言いながらも随所にFF的な要素が盛り込まれ、それながらも「FFではない」が宣言される。その言葉すら制作陣によるメタ的な仕掛けの一つとなっている凝りよう。
とにかくメタ要素が多くて楽しめる作品である。

その要素の一つがタイトルにもなっている「ブレイブリーセカンド」というシステム。表向きは戦闘を有利に進めるためのシステムだが、ゲームのある時点においてはストーリーを先に進めるために必須の要素になっている。

ざっくり説明する。
ブレイブリーセカンド」のストーリーを進めていくと、ある時点でプレイヤーキャラクター達は目的達成が完全に不可能になり、世界の時が完全に止まってゲームとして先に進めない状態に陥る。この状態がゲームでは「エンドレイヤー」と言われ、ゲームのサブタイトルにもなっている。

そんな「エンドレイヤー」の世界で途方に暮れるわけだが、ゲーム内のNPCは「ブレイブリーセカンド、それはやり直す勇気」などと言い始め、ゲームのタイトル画面にはそれまでにはなかった「New Game+」という項目が現れる始末。

この「New Game+」を選択すると、普通に最初からゲームを初めたのと同じようにゲームが始まり、「え、もっかい最初からやらなきゃいけないのか?」と一瞬辟易した状態になるのであるが、そこで特殊システムの「ブレイブリーセカンド」が関わってくるという仕掛け。そしてめでたく「エンドレイヤー」を抜け出せるというわけだ。

以上、「エンドレイヤー」「New Game+」「ブレイブリーセカンド」という用語の説明であった。

 

何故このような説明が必要であったかと言うと、2020年3月31日にこの世がエンドレイヤーになったままだということに改めて気付いてしまったというおハナシである。

当初模型ブログにしようとしていたこのブログはいつの間にか推し活日記となり、推し活ができなくなってからはすっかり放置されているわけであるが、そんな推し活ができなくなった世界を自分はしばしば「エンドレイヤー」と言い表してきた。

「New Game+」だとか「ブレイブリーセカンド」だとか言ってみても現実の世界にはそんな都合のいいものは存在しない。
止まった世界がただ無慈悲に刻々と続いていく。

そしていつしかそんな状態にも慣れ、最近は人生を少しでも先に進めるための大きな決断をしてみたりと「エンドレイヤー」であることを忘れてそれなりに生きていく気になっていた。

が、さる9/10にOGによるイベントカフェが開催され、そこに推しが降臨するということで是非もなく参戦希望を表明したわけである。

応募者16名以上で抽選ということで当店のコアな人気を考えれば抽選となることは間違いない。期待と不安が入り交じる状況で当落メールを待っていたところに当選メールが届き、当落メールを待っている間以上の期待と不安と緊張のなかで当日を迎える事となった。

推し活として何かするか否かについては多分に悩んだ部分ではあるが、実に2年半越しの機会でもあるし、このような会が末永く続いて欲しいということで祝いの花を出すことに決める。
気持ちとしては盛大にスタンド花を贈りたいくらいの気持ちはあるのだが(実際、GV10周年に際してはそうした)、1日限りのイベント営業ではそれも迷惑だろうと思い、持ち帰り可能なサイズのアレンジメントならば許されるかと久しぶりにヲタク花屋に「小さめのサイズ」としてオーダー。

自分の久々の推し活ということで花屋が張り切り過ぎた結果、持ち帰るのも少々面倒な大きさになってしまってはいたが。。。

そして当日、本当に楽しい時間を過ごすことができた。

推しに会えたのはもちろんのことだが、同じ場所を今でも愛する同志達と昔を懐かしむ時間は同窓会としても楽しめるものだった。

エンドレイヤーの中で見つけてきた僅かな楽しみが吹き飛ぶほどに。

そう、

同窓会なのだ。。。

 

楽しかったあの日々はもう戻りはしない。
我々に唯一できることと言えば、いつ開催されるかもわからない、これが最後かもしれない機会をただ待つことだけ。

この世界はやはりエンドレイヤーだった。そしてこの世界には「New Game+」も「ブレイブリーセカンド」も存在しない。

この世界がやはりエンドレイヤーであり、エンドレイヤーの中で見つけてきた僅かな幸せが本当に僅かでしかないことに改めて気付いてしまうという激痛を味わう結果となってしまったのだった。

 

しかし我々は生きなければならない。
我々が推しを必要とする、生きていて欲しいと願うように、我々もまた誰かに必要とされている、生きていて欲しいと願われている。そう信じて。

 

そんな想いの中で、昨今下した大きな決断を改めて考える。
完全に顕現するのは2022年末~2023年初頭になりそうであるが、人生を大きく変えることにした。
どうせ推しに会えないのなら、、、という多分に諦めの気持ちも含んだ決断ではあるが、この決断が「New Game+」からの「ブレイブリーセカンド」になるかもしれないという淡い期待が無いわけでもない。

こうやって人は少しずつ前に進んで行くのだろう。

明日は何かが変わる、停滞した世界「エンドレイヤー」から抜け出せると信じて、

うつせみに結ぶ。

メイドの日に想ふ、「別にメイド喫茶が好きなわけじゃなかった」のだというハナシ

5/10はメイドの日らしいですね。
May(メイ)/十(とお) でメイド、と説明するのも恥ずかしいですが、
個人的には、「~の日」というのを語呂合わせで作ることには冷ややかです。
歴史好きとしては、やはり「~の日」という設定をするのであれば歴史的な出来事になぞらえて欲しいものです。

そんな事を考えていたら、自分が初めてメイド喫茶に行った時の事や、それから今日までのメイド喫茶愛好家としての半生をダラダラと思い出していました。

自分が"メイド喫茶"を人生で初めて訪れたのは、アンミラを除外するならば2003年のMei:lishが人生で初めてでした。

 当時は、希望を胸いっぱいに新卒で入社した玩具会社を入社から一年半足らずで辞めたばかりの、人生初の身分無しを謳歌しつつも何か空虚なものを感じている時期でした。

ネットで知り合ったヲタク仲間と連れ立って行ったのを覚えています。

 その日のMei:lishはメイドというよりはコスプレ店員さんがメインでした。
ヲタクとしては目に楽しいものがありつつも、仲間と一緒だったのもあるのか、メイドさんとたいして話すこともなく、「まぁこんなものか」という感じで「こりゃハマる!」とまでは思わなかったのが正直な感想でした。

 そんな約17年前から10年前くらいまでの7年間は、メイド喫茶に足繁く通ったという記憶はほとんどありません。

自分が「メイド喫茶に行く人」になったのは弁理士試験に合格した後なので、今から10年前くらい。
虎ノ門界隈が職場になったこともあり、アキバに足を伸ばすのが楽になってアキバ頻度が上がったので「ヲタクとしてアキバでの拠点となるメイド喫茶の一つも必要だろう」という思いもあって、色々と行ってみるようになりました。

人生初だったMei:lishにも再度行きましたが、自分のアキバでの行動ルート的にイマイチ合わなかったというのが正直なところ。
それから4、5年くらいは、自分が欲する「拠点」が定まらなかった、というよりは、結局のところ今ひとつ"コンカフェ"を楽しみ切れずに二度目三度目の足が向かなかったというところでしょうか。

そんな中、「一度行ってみたい」と密かに期待を寄せる店が現れます。
灯台下暗しとでも言いますか、アキバ駅から最も近い"コンカフェ"『ザ・グランヴァニア』です。

行ったことがある人の中には分かる人もいるかと思いますが、この店は最初の一歩のハードルが高めでした。
アキバ電波会館の一角に入り込んだ階段を登った先にお店の入り口があり、巷での評判の高さもあってこの階段を初めて登る際のハードルが結構高かった覚えがあります。

その後、自分がこの店にハマっていったのは当ブログの他の記事で書いた通り。

 

で、

 

そんなグランヴァニア、それを継ぐセブンシーズも閉店し、自分が「拠点」と定めたアキバの場所は無くなってしまったわけですが、

次なる「拠点」を探す気が起きないわけですね。

4、5年も迷走した挙げ句にたどり着いたグランヴァニアだけが唯一の通い先だったわけで、他のメイド喫茶に行こうと思う道理がないのも当然です。
グランヴァニアにたどり着くまでの間、一般的な"メイド喫茶"で押し付けられる「萌え萌えキュン♪」にはまったく萌えなかったので、世間一般が意味するところの"メイド喫茶"が好きなわけではなかったという事に改めて気付いたというオハナシです。

まぁ探そうと思ったところで世の中がこんな状況では現実的には無理なのですが。

緊急事態宣言解除後の開放的な気分の中、アキバの街を歩く自分はパーツ街&ヲタクショップ以外にどんな場所に足を踏み入れるのか、そもそもそれ以外のところに寄る気になるのか、今の陰鬱とした空気の中で予想しても無意味とすら思うわけですが、グランヴァニアやセブンシーズに通っていた頃のような貴重な時間を過ごす場所にまた出会える事を願いつつ、その場所は少なくとも世間一般で言うところの"メイド喫茶"では無さそうだというオハナシ。

コロナ・ショック

ヲタブログとしてやっていくと言いつつ、何か「事」が起こらなければ書く気にならないこのブログです。

世間は新型コロナウィルスに関する話題で満ち溢れ、明るい話題があったとしても掻き消されてしまう状況です。

一社会人として、その影響を感じているところではありますが、所謂「デッド・エンド」に直面することなく2020年3月を過ごしていました。

が、

3月の最終日、「デッド・エンド」が起こってしまいました。

わざわざここに書くくらいですから、私の「推し活」に関わる案件です。

 

閉店し、イベント営業し、そして2020年2月に新規プレオープンを迎えた「グランヴァニア」改め「セブンシーズ」

グランヴァニアにて主要メンバーを務めていた自分の推しが変わらず主要メンバーを務める、グランヴァニアのDNAを継ぐ形での新装開店にウキウキの毎日を2020年2月から送っていました。

ウキウキ過ぎてここに「推し活」を書くことすら忘れていたくらい。

 こういう事になりました。

アナウンスされたのは当日です。

 

「は?今日で終わり?ふざけんな!せめて数日後にしろや!」

なんて批判は、自分で商売をやったことのない人間のわがままです。

新型コロナでみんなが大変な思いをしている今、月末の「今日でやめます」を責めることは誰にもできません。

基本的にランチタイム勢だった自分、当日「今日で終わり」を告げられて、「じゃあランチ食べに行きます」と言えるほど暇でもありません。
今日行けるとすれば夜。

そして自分の推しは基本的に18時終わり。

「行っても意味ないかな…」

とは思いつつ、グランヴァニアが終わって、セブンシーズが始まる時とは、確実に違う流れ、

本当の終わり

を感じる閉店告知です。

推しに会えなくてもいい、とにかく行こう

と思い、21時頃に入店しました。

 

いました。

 

 突然の最終日だし、「メイド長」的な立場を務めている推しなら最後まで残っているのではないか、

そんな淡い期待を胸に来店した甲斐あり、マミエることができました。

突然の閉店告知にどよめき、集った同志達。
店内は満員御礼。
待ち時間なく入れるギリギリのキャパという感じでした。

 

「とにかく行く」

そんな一念で駆けつけたので、「来て、推しがいたら何をする」とか何も考えていません。

普通に注文し、混み混みのためにアッチへコッチへオオワラワのメイドちゃん達を呼び止めるような野暮な事もできず、そして突然の混み混みのためにいつまで経っても出てこない最初のドリンクを待ちながらただ座っていました。

最初のドリンクが出てくるまでに食べ物が2つ出てきました(笑)

その間に推しとも、他のメイドさんとも多少話ができました。
聞くところによると、出勤予定のメイドさんが休みになってしまい、急遽メイド長である推しが最後まで残ったとのことでした。

さすがです。

 

この話の肝は、推しと話せた時

推しが来てくれたので一枚だけ溜まっていたポイントカードの権利行使を伝え、当然チェキでお願いするつもりで話したところ、

「指名カクテルじゃなくていいの?」

と言われました。
まぁ、チェキは500円払えば撮れるし、じゃあそうしようという事でポイントカードの権利行使は指名カクテルにして、チェキは普通にオーダーしました。

で、とにかく激混みの店内。
特にドリンクが遅く、最初に頼んたドリンクが出てくるまで、入店から1時間近くかかりました。。。(汗)

で、最初に頼んだドリンクがきてから大して間を開けずして、ポイントカードで頼んだ指名カクテルを推しが持ってきてくれました。

 

その時に、激混みの店内の割にはたくさん話せたわけです。

 

あのタイミングで指名カクテルをオーダーすれば、それがラストドリンクになるだろうことは容易に予想できます。

そういうことか。
ありがとう。

目の前でシェイカーを降ってから注いでくれたカクテルを飲みながら、

「推しが振ってくれたカクテルがここでの最後か、、、」

と考えていたら泣きそうになってしまいました。

飲み干し、店を後にします。

 

会計の時も、位置関係的に一番近かった他のメイドさんが会計に来てくれたところ、さらりと自然な流れで推しが会計を変わって対応してくれました。

 

忘れもしない、去年9月のグランヴァニア終焉の最後の時、

「また!」

と妙に自信たっぷりな風に言ってくれた推し。

「またなんて、無いじゃん。」

陰キャ丸出しで言い返してしまった自分に対して、

「私はあると思ってるから!」

と明るく言い返してくれた推し、

 

そんな気丈な推しが、

「もう、無いかも、、、」

と言ったその一言が忘れられません。

 

「この子がそう言うなら、もう無いんだろうな。。。」

そんな風に思いながら、

「今回こそ自分が明るく括らなきゃ」

そう思いながら言葉を探して、なるべく表向きは軽く、でもちゃんとまた会いたい気持ちは伝わるように返したつもりです。なんて言ったかは覚えてませんが。

 

ただ、本当に最後の瞬間、
今回の2ヶ月足らずの期間の最大の成果、

FGOのフレ登録をした

なんとかコレが嬉しかったことを伝えつつ締めたいと思い、
そんな事を考えて自分が捻り出した最後の言葉

FGOフレの最終ログイン時間くらいは見てるよ」

 

きっしょ、、、

 

冷静に考えたら言ってることはネットストーカーと変わんねぇ、、、

でも、推しが返してくれた言葉、

 

「あぁそれはお互いにね!」

 

天使かよ。。。

 

そんな形で、思い返してみれば、去年の9月に終わってたはずの夢を少しだけ見続けられた。

そんな2ヶ月弱でした。

短い間でも、セブンシーズをやってくれた全ての人と、グランヴァニア時代と変わらずに迎えてくれた推しに心から感謝します。

 

www.youtube.com

 

新型コロナウィルスの影響がどこまで続くのか。

自分は、とにかく影響がおさまるまで、あらゆるものの変化を固定して、影響がおさまってからコンテニューできるように「セーブ」するしかないと思ってるんですが、世にはびこるバカ経営者や政治屋はそんな風には考えられないようです。

連中には期待できません。

みんな、ちょっとずつ我慢して、今を乗り切りましょう。

「二推し」という概念 〜人が人の幸せを願う事の幸せ〜

最近、「ニオシ」という言葉を知りました。

 

漢字を当てるなら、「二推し」という事になるかと思います。

 

「一推し」に対しての「二推し」らしいです。

前回書いた気持ち悪い記事の通り、「一推し」の“一”は唯一無二の“一”だと思っていたので、目から鱗でした。

 

この「二推し」というのは「一推し」への推し活を応援してくれる存在だという事でした。

この「二推し」の概念を教えてくれた人と色々と話をしていて、自分にとっての「二推し」は間違いなく前回記事に出てきたS.Yさんだなぁとシミジミと思った出来事が。

 

 

前回の気持ち悪い記事にて、閉店だ大変だ人生の終わりだと大騒ぎしたグランヴァニアが、店名改め「Seven Sease」としてリニューアルオープンするとの事です。

そして、その前哨戦とでもいうのでしょうか、別の場所を借りて12/24、25にクリスマスイベント営業が行われていたので行って参りました。

 

実は、この来店については悩むところがあり、すんなりと来店を決めたわけではなかったのですが、色んな人に話を聞いてもらった末に行く事に決めたわけです。

 

 

私を含め、一昔前の世代にとっては竹内まりやよりもこちらの方が冬のケンタッキーのCMソングとして思い出深いのではないでしょうか。

12/24、25のイベント営業という事で、この曲を思い出しながら、グランヴァニア閉店以来の再会なので、どうせならばと花束持って12/25に馳せ参じたわけです。

 

いざ入店

 

遂に3か月ぶりの再開という思いで店内を見渡すと、

S.Rさんがいない。。。

 

まぁまぁ、休憩とか色々ありますから、とりあえず席に案内してもらいます。
入店に際してわざわざ袋から出した仰々しい花束をとりあえず袋にしまって椅子に掛け、自分も椅子に腰かけます。

と、入店して店を見回した時にはいなかったのに、いつの間にか店内にいたS.Yさん。

とりあえず目的の一つは達成できてホッとしつつ、「久しぶり」と軽く挨拶。

 

その後は、イベントメニューや懐かしいローストビーフを堪能しつつ静かに時間を過ごします。

イベントメニューを頼むとラミカが引けますが、一発目で引いたのはS.Yさんでした。10周年イベントの時も同じような展開だったことが思い出されます。

そんな風に静かに時間を過ごしつつ、イベントメニューを頼む都度ラミカを退きますが、4枚引いた時点でS.Rさんは出ず。
そしてお店に出てくる気配も無し。。。

手元に1枚あるイベントのチェキ券をどうするか考えていたところ、他のお客さんと話していたS.Yさんが「6時であがり」と言っている声が聞こえます。

これはもうチェキ券行使しかない、後からS.Rさんが出てくるなら、改めてチェキ券をゲットすればいいだけの事。

ということでS.Yさんとチェキ。

 

その後、5枚目で見事S.Rさんのラミカを引き当てたところ、ラミカBOXを持っていたS.Yさんが我が事のように喜んでくれてホッコリ。
まぁ、S.Rさんがいないという事で、自分がくら~い顔してたのを元気づけようとしたんだと思います。

で、このさいなので「今日来る?」と聞いてみました。
返答は、、、No

 

まぁ、5時を過ぎ、6時近くなって遅番の子達が来た時点でもいなかったので覚悟はしていましたが、やはり残念。

知り合いの花屋さんが腕を奮ってくれた結果、結構な大きさになってしまった花束、「S.Rさんに渡して」なんて迷惑なお願いはできません。

でも、捨てるなんてバチあたりな。

仕方が無いので、「これ、みんなに」とお店宛に持ってきた事にして花束をS.Yさんに渡しました。

 

んじゃ、そろそろ帰ろうかなぁと思っていたところ、6時で上がる予定だったS.Yさんが遅番の子に引継ぎを始めました。
自分の席の近くで話していたので色々と声が聞こえる感じだったのですが、

「これは、俺さんからS.Rさんへ」

 

え?

 

すぐそばで聞いていたわけではないので、もしかしたら聞き間違いかもしれません。
が、自分が渡した花束の事を引き継いでいる時に発していた言葉に、自分の名前とS.Rさんの名前が入っていた事は確かでした。

「みんなに」と渡した花束を「S.Rさんへ」として引き継いだ、ように聞こえました。

 

久しぶりにS.Rさんに会えると期待して意を決して来店した、でも会えなかった、知り合いの花屋さんに作ってもらった渾身の花束も渡せなかった。目的は達成されなかった。

その事実は変わりません。

でも、幸せな気持ちで店を後にする事ができました。

 

「二推し」の話を聞いたのはこの後の事です。

 

 

幸せ、ってなんでしょう。

美味しいものを食べたら幸せ?

推しに会えたら幸せ?

 

そうじゃなくて、幸せってのは人が人の幸せを願う事だと、常々思っていました。

 

美味しいものを食べて幸せなのは、人に美味しいものを食べさせるために、食べて幸せを感じてもらうために腕を奮う料理人がいるから。

 

押しに会えて幸せなのは、人に良い時間を過ごしてもらうためにゆき届いた接客をするメイドさんがいるから。

単に可愛いからってだけじゃ推したりしません(可愛いけど)

 

そんな風に、人が人の幸せを願って、少しでもその想いが伝わるなら、それは想いを受け取った側だけではなくて、想いを届けた側にとっても幸せ、世の中の幸せは倍率ドン!更に倍なんじゃないかと、

そうやって、幸せが倍々ゲームになって世の中が回っていけばいいなと思っているんですが。。。

 

 

自分のために腕を奮って予想を超えた花束を届けてくれた花屋さん、

推しに会えなかった自分の気持ちを深々と汲み取って機転を効かせてくれたS.Yさん、

 

そんな優しさに包まれて、改めて幸せの意味を感じたクリスマスでした。

 

人が人の幸せを願う事、それこそが幸せ。
誰かの幸せを願う全ての人へ
〜Merry Christmas !!〜


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不器用な「推し」ゴト - あるメイド喫茶の閉店に寄せて -

※模型製作記を書くとか言って始めておきながら完全放置なこのブログ。ヲタブログとしてボチボチ活用していきたいと思います。
ちなみに、志半ばで製作記を放り出したネオ・グランゾンは無事完成して予定通り八展2018のスパロボコンペに出展し、見事受賞することができました。

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ネオ・グランゾン

さておき、

ここ数年、グランヴァニアというメイド喫茶に通っていました。

初めて訪れたのは多分5年前くらい。

「通っている」と言えるような頻度になったのは、せいぜいここ2年位でしょうか。

生まれつきのオタクである自分、メイド喫茶に行ったことがなかったわけではないのですが、「通う」と言えるような頻度で行っていたメイド喫茶はグランヴァニア以前にはありませんでした。

どのメイド喫茶もせいぜい1~2回行ったことがある程度。

そんな中、気になっていたグランヴァニアに初めて足を踏み入れて、なんとなく居心地の良さを感じました。

メイド喫茶にありがちなロールプレイを押し付けてくるでもなく。
かと言って完全にほっとかれるわけでもなく。
そしてメイドさんたちは皆ヲタ教養高め。
ついでに一般教養も高め。

ほど良い距離感の接客が本当に心地よく、「ホスピタリティの怪物だ!」と思ったものです。

また、提供される料理がクオリティ高かった。
「美味しいランチが食べたい」という理由だけでも行く価値のある「レストラン」でした。

 

そんな居心地の良い空間でしたので、当初は「アキバに来たときには寄る」という感じで、ひと月~数ヶ月に1度、多いときは月に数度という頻度で訪れていました。

そんな状態が1,2年続いた頃、ふと気付きます。

「自分は、この子に会いに来ているのでは?」

グランヴァニアに通う理由であるところの、「ほど良い距離感の接客」を最も体現していると感じた一人のメイドさんの事を意識し始めました。
仮にS.Rさんとしましょう。

自分は特にアイドルにハマったりとかはなかったし、メイド喫茶に「通う」のも初めてなので、「推す」という活動は未経験の状態でしたが、そんな事を意識しながら引き続き通ううちに完全に「これが推すという気持ちか!」と納得したものです。

グランヴァニアは、「アキバに来たら寄る場所」から、「アキバに来る目的」に変わっていきました。

で、いざ「推し」というものが自分の中に誕生したものの、世に言うところのオシカツがどういったものなのか検討も付きませんでした。
また、単純に照れと恥ずかしさから、溜まったポイントカードの権利を行使してチェキをお願いすることもできず、推しが誕生してもそれまでと変わらずに単に空間と食事を楽しむだけの状態でしばらく通い続けます。

そんな状態で通う中、ホスピタリティの怪物であるグランヴァニアのメイドさん達の中で、S.Rさん以外にも自分のことを常連客のように認識して接客してくれるメイドさんが現れました。
仮にS.Yさんとしましょう。

「流石、ホスピタリティの怪物だ。有り難いことだ。」

と思いながらも、「でも、最初にグランヴァニアの居心地良さを自分に提供してくれた、自分の推しはS.Rさんだから」と、特にS.Rさんに対して何らかのオシカツをしていたわけでもないのに、意味不明な頑固さを発揮して対外的には何ら変化の無い自己完結をしたりしていました。

その後、意を決してS.Rさんとのチェキを撮ることに成功。
やっと自分にもオシカツができた~と嬉しかったのを覚えています。

忘れもしないその日、S.Yさんがこう話しかけてくれました。

「チェキ、珍しいですね」

初めてチェキを撮ったわけですから当然ですね。
ですが、そんな事はどうでもいい。
この言葉は自分にとってちょっと大きかった。
この言葉を掛けるためには、常連としてよく来る客であると認識しており、かつ今までチェキを撮ったことが無い事を把握している事が必要です。

接客業としては割と普通のことなのかもしれません。
自分も昔居酒屋でバイトしていた頃は常連の顔を覚えてある程度の対応はしていたでしょう。

が、そんな普通の接客でも、メイドさんがやるとメイド喫茶に通うヲタクは殺せるという事です。
単純に、嬉しかった。

「本当にグランヴァニアはホスピタリティの怪物の巣窟だ。大好きだ!」と再認識しました。

その直後にグランヴァニアでとあるイベントが開催されました。
一歩踏み出せれば、二歩目めは簡単です。
イベントのコスプレ姿のチェキをS.Rさんにお願いしました。

そして、、、

イベントだからいいか!と、とても再現度の高いハイクオリティなコスプレをしていたS.Yさんともチェキを撮りました。

今考えれば、なぜイベントじゃなかったら駄目なのか本当に意味不明ですが。。。

 

その後、人生初のオシカツの火蓋を切った自分の「推す」気持ちはグングンと上がっていき、それに従ってグランヴァニアに通う頻度は上がっていったように思います。
そして、「自分にとってのオシはS.Rさんであることには変わりない!八方美人は良くない!」と、本当に意味不明な頑固さを発揮し、「チェキを撮るのはS.Rさんだけ!イベントだろうが何だろうが、もう二度と浮気はしない!」とガンガンこじれていきました。

S.Rさんがいつも店内で話しているソシャゲを知り、共通の話題欲しさのあまりそれを始めたりもしました。

 で、オシカツという事を色々と考えてみたものの、どうしても特定のメイドさんに個人的にプレゼントを渡したりする行為に抵抗があり、仕事絡みでドサっと頂いた商品サンプルを「皆でわけて」と渡したりする程度にとどめていました。

そんなコジレヲタクですが、ホスピタリティの怪物であるグランヴァニアのメイドさん達は相変わらずホスピタリティの怪物として程よい距離感の居心地の良い接客を当然の如く提供してくれます。

 

この空間、永遠にここにあるんだろうな。
でも、いつかS.RさんもS.Yさんも卒業しちゃうのかな。
寂しいな。

 

なんて思っていたら、御存知の通り突然の閉店が発表されます。
いつか、推しのメイドさんの卒業を見送るのかと戦々恐々としていたら、自分が店から卒業しなくてはいけなくなってしまいました。

正直、ここ1~2ヶ月は営業が縮小されたり等、すこし不安な兆候があったことは事実で、まったくの予想外と言えば嘘になります。
でもなんとかこの難局を乗り切って欲しい。
そのためにもなるべく通おう。

と思っていたのですが、タイム・アップとなってしまいました。

そして、閉店が発表されてから最終日までの自分は、、、精神的に平常ではなかったと思います。

居心地の良い空間だったグランヴァニアがなくなってしまうのが悲しい。
S.Rさんに会えなくなってしまう事が悲しい。
最後に、感謝の気持ちを形にしたい。
でも個人的に何かあげたりするのはちょっと、、、
でも、形にしなきゃ意味が無い。

とかなり苦悩した末、やはり形にしようと決意して、通常営業のなかで一番最後に行ける日に形として感謝を伝えました。
その時は、割とスッキリしたものです。

 

その後、通常営業ラストの後に閉店イベントのようなものが開催されるという事で、それにはガッツリと参加したのですが、

そこで他の常連客の方々と初めて沢山お話をする機会がありまして、色々な話をして、他の常連客の方のオシカツも聞いたりして、家に帰ったらば、

自分のこのコジレ具合は何だ?

と、憑き物が落ちたような気持ちになったのです。
他の常連客の方々は実にスマートに、拘り過ぎずにグランヴァニアでの時間を楽しんでいたのに比べて、自分の変な拘りようはなんだったんだ。

というか、閉店発表後に思いつめて周りが見えなくなっていた自分に気付き、我に返ったという方が正しいか。

そして、この上ない後悔に襲われました。

俺、S.Yさんにちゃんとお礼してない。。。

所詮は客ですから、別にお礼とかしなくてもいいのかもしれません。いや、きっと必要なんてないんでしょう。
でも、S.Rさんに個別にお礼をして、S.Yさんにしていないのはやっぱおかしい。コジレてるだけだ。
S.YさんもS.Rさんと同じくらい、居心地のいい空間・時間を提供してくれていました。間違いなく。
冷静になった今、曇りなきマナコで客観的に見れば、自分にとってのグランヴァニアは間違いなく、S.RさんとS.Yさんが待っていてくれる場所だった。

「推し」がS.Rさんなのは間違いありません。
でも、その「推し」の気持ちも、元を辿れば「感謝」です。
「居心地のいい空間を有難う!そんな時間を提供してくれるアナタが大好きだ!」という気持ちです。
S.RさんとS.Yさんとの間に、どれほどの違いがあるのか。
(S.Rさんのほうがヲタ教養が高そうな感じがするので、その辺が違いだったりするのかな、なんて客観的に分析したりもするのですが)そんな事はどうでもいい!

人生の中で一時飲み食いの道楽にハマっていて、その時に「接客に対するねぎらいは礼儀だ」なんて偉そうに言っていたのを今更ながらに思い出します。

人生初の「推し」という気持ちに浮かれ、閉店という大事件にブンブンと振り回されて周りが見えなくなり、昔自分が偉そうに語っていた事も満足にできなくなっていた。

 

こんな事を、本当の本当に最後の瞬間の後に気付くなんて、なんと不器用なのか。

いつかこの後悔を払拭できる日が来ることを祈りながら、気持ちが生まれてからはせいぜい2年、初めて「チェキお願いします」と言えた日、客観的なオシカツを始めてからはなんと1年足らずの、自分に「推し」がいた日々へのピリオドを打ちたいと思います。

もう、オシカツをする事も無いのかな。

有難う、グランヴァニア

有難う、S.Rさん、S.Yさん。